皆様お久しぶりです。日本アートの稲尾です。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私にとっては8月後半以降、怒涛の勢いで毎日が過ぎ去っていきます。

やっと工場内部のめっき設備の撤去が完了し廃業届(めっき設備の廃止届)を保健所に提出しましたので、ここまでの経過をご報告いたします。

撤去作業について

まずはこのブログでもケイコーポレーション様に感謝申し上げさせていただきます。

事故や怪我無く、工事期間どおりに撤去作業を終わらせてくださってありがとうございました!

このように言いますのも、弊社の建屋は最低でも80歳以上という超ご老体で、設備撤去作業中に崩れてもおかしくなかったからです。(ここについては後述します。)

次に現在の工場の状態ですが、ごらんのとおり設備がすべてなくなりました!

工場の裏側も、このようにきれいさっぱり設備を撤去していただきました!

通常、工場を畳むときは工場建屋を撤去しながら内部設備も撤去していくものなのですが、今回は建屋だけ残す”スケルトン解体”と呼ばれるものを行っていただきました。

スケルトン解体となった理由としては、「昭和44年の創業当時から今日にかけて毎月家賃約40万円でめっき工場として建屋借りていたが、弊社はこれから廃業して会社を畳むので、それに伴って工場を引き払いたい。」という旨を大家さんに伝えたところ、

大家さんの方から「日本アートさんが増設した部分を撤去して、建屋を返してください。」と我々に写真付きの資料をもってお話にこられたからです。

この時写真付きで撤去を指示された箇所も含めて、我々が使用していた設備はすべてきれいさっぱり撤去していただきました。

が。

これですよ。

弊社の設備を撤去していったら、下からこんな大きな槽(残置物)が出てきました。

試しに2メートルある塩ビのパイプを差し込んでみましたが、底面に当たりませんでした。

しかも、弊社が保健所に提出している資料は昭和45年からあるのですが、この槽を使用している設備が全く見当たらないのです。

しかもよく見ると、鉄枠の内側に塩ビの内張を入れ、真ん中に木の柱を立てて木の板でX字に分割してあるではありませんか。

はっきり言って、めっき槽ではこのような木材を用いることは一切ありません。

なぜなら、槽に木材を使用するとタンニンなどの滲出液が液中に溶けだしてめっき液を狂わせますし、仮に水洗であったとしてもめっき物の表面にタンニンが付着残留したまま乾燥してシミになるからです。

これは完全にめっき業以前の残置物であることは明白です。

まさかここにきてこんな不発弾があるなんて思ってもいませんでしたww

今後の予定

まず結論から言うと、弊社は特定施設に該当するので特定施設が廃業すると土壌汚染対策法に基づいて県の指示のもと土壌汚染の調査を行わなければなりません。

ただしこの調査はいきなり我々ができるものではないのです。

実は、工場がある土地が過去どのように使われていたのか、さかのぼれる履歴を全てさかのぼって情報をまとめ、「土地履歴調査報告書」を県に提出し、この報告書をもとに県がどのように調査をしなさいと、調査命令(指示)を地主さんに出します。

我々はこの土地の所有者ではないので、県から地主さん宛てに出された「調査命令」を基に土壌を調査し、県に土壌調査の結果を報告しなければなりません。

この調査の結果次第でさらに次の予定ルートが分岐するのですが、とりあえず土壌調査の報告を県に上げるまでのプロセスを、廃業届を提出した日を起点に120日以内に完了させなければいけないのですが、これ本当に間に合うのか?というのが正直な感想です。

と言いますのも、とりあえず現状でまとめた土地履歴調査報告書がこの通り厚さが4センチもあるんです。(すべてA4)

いったんこの土地履歴調査報告書を県に提出して、不備や追加調査の指示が出ればまた更に調べて対応しなければいけないのですが、そもそも土地履歴調査報告書の受理がきちんと終わらないと行政から土壌調査命令(指示)が出ません。

つまり、下手すると土地履歴調査報告書の受理で躓いて行政から土壌調査命令が出ず、120以内に土壌調査に着手できなかった場合、『1年以下の懲役または100万円以下の罰金』が科せられるというまさかの超絶鬼畜仕様なんです。

WTF! WTF!! WTF!!!

設備撤去作業が終わって、土壌調査に向けてここから土砂の搔き出しをしつつ調査報告書の対応もこなさないといけないのでかなりのハードワークが続きますが、ここが踏ん張りどころなのでプロテイン飲んで頑張ります。

工場建屋について

土地履歴調査を行う過程でこの土地と建物の記録をさかのぼってみたのですが、どうやら建物自体は昭和22年(1947年)時点で、すでにこの土地にあったようなのです。

国土地理院に保存してあった昭和22年(1947年)の米軍航空写真に、この工場建屋が映っていることが確認できます。

終戦が昭和20年(1945年)であり、当時の状況を考慮すると、終戦以前にこの土地にこの建屋が建造または移転されていたと考えるほうが自然でしょう。

また、建物の登記情報を見てみると、記載のある建物はすべて「銅板葺」もしくは「瓦葺」なわけですが、現在のGoogle Mapの航空写真を見ると、波板スレート屋根になっているのがわかります。

私も話には聞いていたのですが、過去に雨漏りに困って日本アートが自費で屋根を修理した際に銅板や瓦を取り払って現在の様に波板スレート屋根に葺き替えたものです。

今回設備撤去に入って頂いた業者さんの話によると弊社に使用されている波板スレートはアスベストが入っている物のようです。

気になったので、アスベストの規制について調べたら以下の情報が出てきました。

  • 1975年:吹付けアスベスト(含有率5%超)の原則禁止
  • 1995年:特に毒性の高いアモサイト(茶石綿)・クロシドライト(青石綿)の製造・使用禁止、吹付け基準の強化
  • 2004年:アスベスト含有建材など10品目の製造等禁止
  • 2006年9月:重量比0.1%を超えるアスベスト製品の製造・使用等の全面禁止(原則)
  • 2012年3月:猶予措置が撤廃され完全禁止
  • 2021年4月〜:大気汚染防止法などの改正により、事前調査の方法が法定化
  • 2022年4月〜:一定規模以上の解体・改修工事において、事前調査結果の行政への電子報告が義務化
  • 2023年10月〜:建築物の事前調査を有資格者(建築物石綿含有建材調査者など)が行うことが義務化
  • 2026年1月〜:一定の工作物の事前調査も有資格者による実施が義務化

ここからもわかる通り、2004~2006年の規制で製造・使用が禁止されているため、少なからず2004年より前に葺き替えたことは確実でしょう。

また、スレートの耐用年数はおおよそ30~35年と言われているため今から35年さかのぼった1990年ごろはちょうど私が生まれたぐらいの年ですから、おおよそ1980年~1990年あたりに瓦からスレート屋根に直したことはほぼ確実と言えるでしょう。

そして、この建物と土地の使用歴として昭和26年(1951年)より6価クロムを使用した染物工場が発足していたこともわかりました。

土壌汚染対策法では、土壌から指定された有害物質が検出された場合、その土地の使用歴を洗い出して関係する人すべてに責任を求めるものとなっておりますが、我々の場合は大家さんがこの染物工場をされていた方のご子息さんに当たります。

土対法による汚染除去について

土壌調査の結果次第によっては、汚染除去(土壌の入れ替え)を行わなければなりません。

もし土壌を入れ替えるとなると、ざっくり試算は以下の通りになります。

100平米(m²)で1mの深さで掘削した場合の体積は、

10m×10m(広さ)×1m(深さ)=100立米(m³)

土の比重を2t/m³で考えると、

100立米(m³)×200t/m³=200トン。

土1トン当たりの運搬処理費用が2万円なので、

200t×2万円=400万円

となります。

ただし、この金額は掘削費用と新しい土砂の値段は入っていないことに注意してください。

おわりに

いや~、調べてみるとすごい(エゲツない)ですね。

土壌入れ替えの費用の高額さといい、建物の古さといい驚くことばかりです。

1947年には存在が確認されている建物が2026年まで約80年も残っていて人が利用しているなんて普通ありえませんよ。

現代の賃貸の木造アパートでも、普通は30~40年程度で建て替えを考えて50年経つ頃には建て替えるか取り壊すかするものですからね。w(耐震強度の問題もあるからね!!)

それを日本アートが自腹切り続けて自費で補修して補強して保たせてきたこと自体も普通ではありえないことです。(実際、建物の修理のために腕のいい大工さん探して雇ってたしw)

ちなみに、最も古い情報だと明治31年までさかのぼりますwww

これから廃業を考えられている特定施設の方は、いざ廃業や破産した場合はこちら(会社を畳む人・清算人)が自費と時間かけて土地の使用履歴を明治時代までさかのぼって考えられる汚染(他人がしたこと)にまでこちらが自腹切って対処しなければならない、という事をしっかり肝に銘じて想定して動いてください。

それから、弊社は既に廃業届を提出済みなうえ、既に事務所もありません。

弊社に来られるのは自由ですが、顧問契約なくして技術的な質問にお答えするつもりはありませんし、現状かなり忙しいので顧問契約のない方の来社や質問に関しては、基本的かつ優先的に対応は後回しにさせて頂きますのでご了承願います。

こちとら慈善事業でやってるわけやないんで、無償で技術クレクレ突撃されて作業の邪魔されたら迷惑なんです。

そんなに技術情報欲しいんやったら、いまから自費でめっき設備いれて自慢の技術部に研究させはったらええやん。

勉強したいとか客先から求められたとか大ウソついてパクったウチのQC工程表持ってはるうえに、既にウチからパクったQC工程表を元に、ウチに黙って内製化しはった実績もありますやん。

フッ化物を含む薬剤を用いる設備は「特定施設」の扱いになるから、設置をする60日前に行政に届け出な罰則あるし、廃止する場合もウチらとおなじように土壌調査せなあかんねんけど、その辺ちゃんとやってんのかも怪しいしな。

ウチが営業やめてもう半年以上経ってんのに、いまだに表面処理不良の原因を理解して解決できてないどころか問題が増えてるのはさすがにアカンやろって思うけど、

表面処理不良の原因がどこにあるかを社全体で認知して共有できていないのはもっとアカンやろって思うし、なによりもTOPが自社の製品や信頼に関わる問題について認知・理解・解決できてないんはホンマにアカンやろ。

正味、ウチが利益削ってまで頑張って表面処理不良を解決してあげても、感謝せーへんどころか「言い値でやらされる」とか「言いくるめられる」とか「めっき屋が偉そうに」とか「仕事出してやってるのに」といったクソ文句ばっかり言うて恩に仇で返さはって、ウチとの関係を大切にせーへんようにしはったんはそちらさんやで。

私も親父も「もう教える気はない。」という意志を持ってるし、ここ5年くらいたったひとりを除いて誰か来る度に毎回同じ事聞いてきはるから毎回同じ話を繰り返してんのになんも理解されず文句言われんのにも、ええ加減辟易してんねん。

明確に伝えるために、ここに書いておきます。