はじめに

読んでいただいている方ありがとうございます。日本アートの稲尾です。

このブログでは、1級めっき技能士として日々仕事をする中でのつぶやきやめっきに関する情報などをアップしていく予定です。

めっきというと、気難しい人が多いという印象を持たれている方も多いかもしれません。これは我々めっき屋がめっきの依頼を受けた時、めっきをする素材の状態を選べないということに起因します。

1、実際に発生した外観不良写真。

金属の表面は肉眼では綺麗に見えても、ミクロで見ると転移や空孔といった金属結晶レベルの欠陥を多く含んだ不完全な面で構成されています。

そして、この欠陥部位には不純物やゴミが吸着残留しやすく、腐食や不良の基点になります。

2、不良部分の顕微鏡写真。素材に亀裂が入っている。

この様に、汚れとは酸化被膜や切削油のように目に見えるものばかりではなく、たとえ肉眼では綺麗に見えても、ミクロで見ると汚れが残っていたり、素材の表面欠陥が多々存在しているわけです。

めっき屋さんとお客さんとの間で素材の状態をお互いに情報共有して両側からアプローチを掛けて初めて良い物に仕上がるわけです。

まさに、”(仕上がった物)目に見えるんだけど、見えないもの。(仕上げに掛る苦難)”それがめっきです。

ためになり理解しやすい内容の情報もあれば、役に立たず理解しづらい内容の情報になる場合もあるかと思いますが、暇つぶしにでもお読みいただければ幸いです。

毎度ご利用いただきありがとうございます。

弊社は、昭和44年(西暦1969年)に開業してからすでに50年以上が経過しております。

創業当初から取引を続けていただいているお客様もいれば、ここ数年で新規取引を始めさせていただいている客様もいらっしゃいますし、企業だけでなく個人でめっきの依頼をしていただいているお客様も日本全国多数いらっしゃいます。

同業のめっき屋さんが後継者不在で次々に廃業していく昨今、非常にうれしい限りです。当社をご利用いただいている皆様、いつもありがとうございます。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。